スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジが楽しみな理由

2019年に開業するディズニーパークの新エリア「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」、楽しみですよね?楽しみです。

そんなこのエリアが待ちきれない理由、もちろんアトラクションに乗りたい!だったり世界観を楽しみたい!などなど様々あるでしょう。

という事で今回は楽しみな理由を、皆さんに理解されやすいものから理解されにくいものまで一気に紹介していきます!

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まずは判明している情報からおさらい。このエリアには2つのライドが作られる予定で、一つはミレニアム・ファルコンに乗って操縦が出来ちゃうというもの。もう一つはファースト・オーダーとレジスタンスの戦いを体験できるもの。どんなものなのか、想像もつかないね。そしてこれはディズニーパーク最大規模のエリア拡張となり、まさにあなたがスター・ウォーズの世界に入り込む事になるのです!

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ほら、この説明やコンセプトアートだけで楽しみな理由が伝わってくるでしょ?でもそういった情報なら他の記事にだって書いてあるし、もしかしたら今これを読んでるあなたも知っているかもしれない。でもせっかくだから、深いディズニーパークファン兼スター・ウォーズファンの目線で、このエリアの素晴らしさを紹介したいのですよ。

実は今、ディズニーパークの歴史を辿る事にハマっていましてね。それを踏まえてこの新エリアを見ると、知る必要はもちろん無い、でも知った上で見てみると凄く楽しい製作の物語が見えてくるのですよ。

このエリア建設の立役者は何と言っても、この写真の人物。彼の名はボブ・アイガー、今のディズニー社CEOです。彼がCEOになってから10年強、彼のおかげでディズニー社は大きく変わりました。まず2014年のルーカスフィルム買収により、スター・ウォーズという最強コンテンツがディズニーのものになりました。

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そして彼はディズニーパークの方針も変えていきます。90年代から2000年代前半まで、ディズニーパークは大量に数を増やしていきました。しかしそれにより一つ一つの中身が薄くなってしまい、経営の危機を迎えるパークが出て来てしまったのです。まさにディズニーパーク唯一の暗黒期。しかし彼はCEO就任以降、あまり無闇にパークを増やさず、今あるパークの拡張に重点を置く事に決めました。

そしてその拡張の方法として、今までディズニーがやって来なかった全く新しい方法にたどり着きます。それはテーマを一つの映画に絞った巨大なエリアを新しく作る事。今まで新たなテーマランドが追加される事はあっても「クリッターカントリー」や「トゥーンタウン」のように映画の名が冠される事はありませんでした。しかし2012年の「カーズランド」を皮切りに、2016年の「パンドラ:ワールド・オブ・アバター」、そして2019年のギャラクシーズ・エッジと続いていくわけです。

その理由としてあげられるのは、ディズニーの最大のライバルであるユニバーサルが2010年に作り上げた「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」の存在。元々ディズニーもハリポタという最強コンテンツのテーマパーク権を狙っていたもののユニバーサルに取られてしまいました。これに対抗するため、わざわざ非ディズニー作品であったアバターのエリアを作るのですが、やはりコンテンツ力としてハリポタには及ばなかったと。でもスター・ウォーズならばハリポタと同程度かそれ以上の知名度を持ち、あの素晴らしいエリアを超えてみせるでしょう!お願いディズニー!

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さらに注目したいのはこのエリアができる場所。カリフォルニアのディズニーランドと、フロリダのディズニー・ハリウッド・スタジオに出来るわけなんですけどね、そもそも同じエリアが同じ年に複数の場所に出来るって事自体が前代未聞なわけ。

アトラクション一つであっても、どこか一か所で作って他に作るなら1、2年ほど間が開くのが普通だったわけ。だって作ってみないとどんな物になるのか分からないからね、同時に複数作ると改善点が見つかった時のリスクが高まるから。それほどこのエリアには自信があるんだろうなって。

それに出来るのがカリフォルニアのディズニーランドという。ウォルトさんは「ディズニーランドは永遠に完成しない」と言っていたけど、やはり長年やっているとファンは全ての場所に愛着を持つようになって変化を嫌うわけ。けどこんな大きなエリアを新しく作るとなると必然的に何かを壊さなきゃいけない。カリフォルニアのも東京のと同じで土地が少ないからね。だから例えウォルトさんが作り上げた風景だろうと、新たなエリアのためにスクラップ&ビルドをやってのけたのですよ。凄いよね、そこまでして作るエリアって楽しみだよね。

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そして同じようにハリウッド・スタジオにとってもこのエリアが持つ意味合いはとても大きく。元々このパークがディズニー・MGM・スタジオとして開業した時、コンセプトは映画の舞台裏を体験するというものだったの。言ってしまえばユニバーサルの二番煎じ。しかしやっぱりそのテーマは、世界観を作り上げるはずのディズニーの強みからは外れるものであり、人々は映画のセットを見るよりも本当に映画の中に入り込むというのを望んでいたわけ。だから最初の大規模拡張で世界観を体験する「タワー・オブ・テラー」というライドが誕生したわけ。

 その中で当初の目玉となるはずだった映画の舞台裏を回るトラムツアーは2016年にクローズ、世界観を体感するというトイ・ストーリー・ランド(2018年開業)とスター・ウォーズにバトンを渡します。トラムツアーのクローズにより当初の映画の舞台裏を見るというコンセプトは終わりを迎え、スター・ウォーズの開業により映画の世界観を感じるという新たなコンセプトがまさに完成を迎え、その意味でこの新エリアはハリスタにとって重要な意味を持つのです。もう「ここ半日で回れるね」とは言わせない!楽しみ!

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さてここまではディズニーパーク好きの目線から語ってきたけど、ここからはスター・ウォーズ好きとしての楽しみポイントを語ろうかと。

どんな映画でも大ヒットすると必ずと言っていいほど付いてくるのがスピンオフ作品。それは小説だったり漫画だったりゲームだったり媒体は様々だけど、映画で見たあのキャラクターの過去や未来が知りたい!というファンの願望にバッチリ答えてくれるのがスピンオフ作品です。

しかしそのスピンオフは日本語で「派生作品」と訳されるように軽視されがち。せっかくキャラの過去を小説で描いたのに、映画の続編ではその設定が完全に無視されてスピンオフの意味が無くなるなんて事もしばしば。パイレーツ・オブ・カリビアンの小説とかひどいからね本当。

でもその中でスター・ウォーズは、どんな媒体であっても全ての作品は同じ世界の中で起こっているという基本的な考えを尊重し、新たな作品は過去に登場したスピンオフ作品に乗っ取って作られています。しかし何十年もそれをやってると流石に様々な矛盾点が出てきて、後付け設定という力技で解決したものもあれば、どうしようも無く諦められている部分まで様々。

そこでディズニーのルーカスフィルム買収後、この事態を一気に解決できる奥の手を取り出します。ズバリ、スピンオフを全てリセット。エピソード1から6の映画とクローン・ウォーズというアニメ以外全ての作品はレジェンズ(伝説)として扱われ、新たに「正史」という枠組みが誕生しました。正史とはその名の通り正しい歴史という意味で、そこでは作品間で矛盾がなるべく起こらないよう、専門の係まで付いて作品の監修が行われています。正史がどうこうに関してはこちらの記事もどうぞ。

そして何を隠そう、このギャラクシーズ・エッジはその正史設定に入ってるのです!そうは言ってもほとんどの人はその凄さが分からないと思うので詳しく説明しますね。

正史の誕生以降、矛盾点が起きないようにするというルールは極めて厳格になりました。そんな中テーマパークのエリアを正史設定に組み込むというのは非常に大きな制限となります。まず、このエリアはファースト・オーダーが台頭してきている時代だと発表されています。なので、この時代には死んでいるはずのダース・ベイダーが登場した瞬間アウト、ルークやレイアも若者の姿だとアウト。つまりスター・ウォーズ世界での時代考証をしなければいけないのです。じゃあ正史にするメリットは何でしょうか。

かつてディズニーパークでは映画が先にあり、それを元にテーマパークに映画の要素をはめ込んでいきました。しかし今が映画と同時進行でテーマパーク開発が行われるようになりました。そう正史という同じ世界観に立ったことにより、テーマパークが映画に寄せるだけでなく、映画もテーマパークに寄せられるようになったのです。

それを最も著実に表しているのが「ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー」でのとある言及。あの映画の中では沢山の地名が言及されていて、その中に「ブラック・スパイア」というものがありました。この名の町こそ、ゲストが訪れることができる惑星バトゥーの中にある町なのです!

さらに「Thrawn: Alliance」という小説ではその惑星バトゥーが舞台となり、決してテーマパークの宣伝が目的の小説では無いものの、こういった繋がりによって同じ世界観なのだと感じられるよね。まだ開業されていない今でさえこれだけ他作品との繋がりがあるんだから、開業後はどうなるのか本当に想像もつかない。はぁ、楽しみだな。

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さあどうだったでしょうか。長々と語ってきたけど、楽しみに待つ理由なんて人それぞれ。自分がなぜ楽しみにしてるかの理由を少しでも感じ取ってもらえてたら嬉しいです。はぁ、楽しみ!アメリカ行かなきゃ!