ディズニーとユニバーサルのマーベルを巡る戦い

マーベル好きの人なら一度は、東京ディズニーリゾートにマーベルのアトラクションが出来たらいいなって思う事、一度はあるでしょう。でも残念ながらその計画は全然立っていません。その理由の一つとして、ユニバーサル・スタジオの存在があるのです。

 

ディズニーとユニバーサルと言えば、テーマパーク界のトップを争う存在。そしてどちらも始まりが映画なので、沢山の自社作品をテーマとしたアトラクションがあります。しかし時には、アトラクションにしたい作品が他社の作品である事も。そんな時は提携という形で作品を自身のテーマパークに登場させるのです。特にユニバーサルは、ディズニーほど作品が有名で無いものが多いのでこの提携が多く行われています。USJでは「ユニバーサル・クール・ジャパン」なんていう、素敵なイベントがあるように、期間限定イベントでは特にこの提携が活発です。

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では常設のアトラクションではどうでしょうか。もちろんこれも例外ではなく、ディズニーも「トワイライト・ゾーン」(CBSのIP)や「アバター」(20世紀フォックスのIP)のアトラクションがあります。

そして今日の話題は、そんなユニバーサルが1999年に提携を通して造ったマーベルのアトラクションについて。フロリダ州「ユニバーサル・オーランド・リゾート」の中にマーベルがテーマのエリア「マーベル・スーパーヒーロー・アイランド」が造られました。その中のスパイダーマンのアトラクションは、USJにも「アメージング・アドベンチャー・オブ・スパイダーマン・ザ・ライド 4K3D」という名で存在しています。長い。

そういったテーマパークで他作品を扱う時、大抵の場合契約の中で他のライバルが同じ作品を使えないよう制限させます。例えばUSJはこれから任天堂のエリアを作ろうとしてますが、もし仮にディズニーが同じ規模の任天堂のエリアを造ったらせっかくの新エリアが台無しです。なのでそうやって契約の中で明記し、他のテーマパークをそれを知っているので変に手を出したりしないのです。

でもマーベルだけは話が別となるのです。それは2014年にディズニーがマーベルを買収してしまったから。せっかく自社ブランドとなったマーベルをもちろんディズニーは自身のテーマパーク、ディズニーランドに登場させたい。しかしそこで足かせとなるのが、マーベル買収前に結ばれたそのユニバーサルとの契約なのです。

しかし嬉しい事に、その契約は決してユニバーサル以外でマーベル作品を登場させることを全面的に禁ずるものではありませんでした。グッジョブ、昔のマーベルの人。もちろん契約の詳しい内容は我々一般人が知りうることができませんが、今のディズニーの動きを見ればある程度推測することができます。

まず、最初にマーベルのアトラクションが出来たのが香港ディズニーランド。「アイアンマン・エクスペリエンス」と名付けられたこのアトラクションは、香港に出来たスターク・タワーを巡りアイアンマンとヒドラが対決します。

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2つ目はディズニー・カリフォルニア・アドベンチャーの「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ミッション:ブレイクアウト!」

これはタワー・オブ・テラーを大改造したもので、映画に登場したコレクターの要塞から脱出するもの。

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このアトラクションが完成した時、カリフォルニアのディズニーランドでは「サマー・オブ・ヒーローズ」というキャンペーンが行われました。実はこのキャンペーンから、ディズニーのマーベル利用に関する制約を覗き見ることが出来たのです。

まず、このキャンペーンやアトラクションにはCMなども含めて「マーベル」という名が一切使われていませんでした。香港や上海、パリではごく普通にマーベルという名が使われているので、これは契約が理由の可能性が極めて高いです。

さらにカリフォルニアではアイアンマンやキャプテン・アメリカ、スパイダーマンをはじめとした多くの有名キャラクターがパークに登場していたのに対し、フロリダではガーディアンズやドクター・ストレンジなど、決してどメジャーでは無いキャラクターしか登場していません。(ファンの皆さん、語弊は無いです)

これはユニバーサルの中でマーベルが登場するのがフロリダだけなのが理由と思われます。そこではアベンジャーズやXメンなど主要キャラが登場しているので、そこに出ていないキャラのみディズニーでも登場させれるのでしょう。

 

さて、長い長い前提を経てようやく日本の話。実は今ディズニーパークの中でマーベル作品が登場しているのが、カリフォルニア、フロリダ、パリ、香港、上海、クルーズと、要は東京以外の全て。日本でマーベルが出ないのは知名度のせいもあるかもしれないけれど、ここまで来ると流石にそれだけが理由では無いような気がしてきます。最近映画もヒットしてきて、知名度も上がってきてるし。そうなると、理由としてユニバーサルの存在があるような気がしてならないのです。

先ほども言った通りUSJにはスパイダーマンのアトラクションがあるので、フロリダと同じような制約が課されることが想像できます。

つまり、

1. USJで使われているスパイダーマンは登場させられない

2. 「マーベル」という名前は(宣伝であっても)使用できない

という事。1は別に大きな問題ではありません。スパイダーマンとその関連キャラなんて数えるほどしかいないのだから。でも2は大変。アメリカならマーベルの浸透率がすごいのでキャラの顔を見ただけでマーベルだと分かるし、客も呼べる。しかし日本だと中々そう上手くはいかないものです。せっかくMARVELって書かれたTシャツとか流行ってるから、それを使えれば客を呼べそうなものだけどもねえ。

なので東京ディズニーランドにマーベルがやって来ないのはこれが原因なのかなぁと。でもやって来れないわけでは無いのは事実。その証拠にほら、

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そう、全く知られていない事実として「ベイマックス」はマーベル原作。つまりそれを基にしたアトラクションは東京初のマーベルアトラクション!には一応なるんだけれども、何かが違う感は否めない。でもこれぐらいなんだもの、日本でマーベルの名を使わなくても客を呼べる作品。

さて、今後はどうなるんだろう。世界各地のディズニーパークでマーベルをテーマとしたエリア建設が進む中(画像は香港)、東京は、東京だけは音沙汰なし。

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ハロウィン期間の仮装も、「マーベル社のキャラクターへの仮装はご遠慮ください」と言われる始末。スター・ウォーズ、キングダム ハーツはアリなのに!まあ誰かがスパイダーマンの仮装でもしたらシャレにならないものね。さあ、この状況は今後変わるのでしょうか。