the Isle of the Lost - ディセンダントの前日譚
現在ディズニーブックスからthe Isle of the Lostという本が販売されています。これは映画ディセンダントの前日譚となる本で、まあスピンオフみたいな立ち位置。残念ながら日本語訳はされていないのですが、今回この本を読んで面白かったので紹介をしたいなって思います。たださっきも言ったように日本語訳は無く基本英語になるのでまあ買って読もうって人は少ないんだろうな。出来れば実際に買って読んで欲しいけど、もう今回は本のストーリーを全部書いちゃいます。映画のネタバレは無いのでご安心を。
マルはある夢を見ていた。そこはどうやらとある湖で、横には男の子がいた。その人をマルは見た事が無かったが、どこか知っているような気がした。そして彼に恋をしているような不思議な感覚も...。
20年前、ベルとビーストによってヴィランズがみな追いやられたロスト島(the Isle of the Lost)では始めマレフィセントとイーヴィルクイーンによるトップ争いが起こった。そして二人の熾烈な戦いはマレフィセントが勝利したものの、二人の関係はまさに一触即発となる。そして今から10年前、マルやイヴィが6歳ぐらいだった時。娘のイヴィの誕生日パーティーを開いたイーヴィルクイーンだったが、関係が悪かったマレフィセントとマルは招待しなかった。それに激怒したマレフィセントはイーヴィルクイーンとイヴィに対し、「二度と人前に顔を見せるな」と言い放つ。そして二人は住んでた所を追われ、古い城の中にとどまる事を余儀無くされてしまった。
そして現在。親が島のトップだという事を生かしてマルは学校の中でいじめっ子として過ごしていた。このロスト島の学校は、ファシリエやトレメイン夫人などの計画に失敗してしまったヴィランズが、子供達に悪を教えて悪の計画に失敗しないようにするという物で、オラドンの学校とはまさに正反対。そして、マレフィセントの言葉も10年経てば皆忘れているだろうと信じて、イヴィが学校に初登校する。そしてこの島ではいじめは美徳とされているので、もちろんマルはイヴィをいじめようとするが、どうすれば皆が驚き、お母さんに褒められるような悪事が出来るか考える。
一方島の外のオラドンでは、ベンが王になる準備がちゃくちゃくと進められていた。王となった時に重要となるのは他の州の代表達との連携が重要なのだが、他の代表達、例えばアリエルやシンデレラ達はベンの話を聞こうとせず話が全く上手くいかない。さらにガールフレンドであるオードリーも自分の事しか考えておらず嫌になってしまう。しかしベンが最も気になっていたのは、夢の中で見た湖で佇んでいる紫色の髪をした少女だった...。
マルはイヴィを二度と人前に立たせられ無くさせるような悪事の計画を練っていた。そして思いついたのはクルエラの家でイヴィの"歓迎パーティー"を開く事であった。なぜならクルエラの毛皮のコートが置かれている大きなクローゼットには、泥棒を防ぐための無数の罠があり、小さな頃にマルは閉じ込められ大変な目にあった記憶があるから。そしてイヴィをここに閉じ込めればイヴィは大変な目に逢い、惨めな思いをして、あざ笑う事ができるのではないかと考える。そしてイヴィはマルがそんな事を考えている事などつゆ知らず、自分を優しく扱ってくれるマルに対して好感を持っていた。そしてマルはジェイと協力しながらカルロスを脅し、パーティーを開く事になった。
そしてパーティーの夜、何も知らないイヴィはばっちりおめかしして行くが、マルにクローゼットに閉じ込められた時にこのパーティーが全て悪意の元に成り立っていた事を知る。そして暗闇の中に無数の罠があるのだが、長年暗い城の中で過ごし、運動神経も良いイヴィには暗闇や罠を恐れる事もなく、無事にクローゼットから脱出する事ができた。そして脱出したその先でカルロスと出会い、イヴィは初めて誰かから本当に優しくしてもらい、2人はすぐに打ち解ける。そしてカルロスはイヴィに、科学に研究をしている事を打ち明け、様々な発明品を紹介する。そしてその中にはテレビがあり、その電源を入れるとロスト島では絶対に観ることが出来ない物、つまりオラドンで放送している番組が流れたのだった。しかしその時大きな光とともに島に変化が起きたのだが、カルロスとイヴィは知る由も無かった。
この時にテレビに映った映像の説明があったんだけど、その部分読んでたら興奮で叫びそうになるぐらい凄い文章だったので引用しますね。
The Screen was flashing with so many different scenes it was dizzying. For a moment they saw a talking dog(Carlos screamed at that sight); then it switched to a pair of twins who were nothing alike (one was boyish and athletic and the other was sort of a diva, and they both sort of looked like Mal, except with yellow hair); then it switched again to two teenage boys who seemed to be running a hospital for superheroes.
訳:画面が光り、たくさんの場面が映し出された。そして画面には言葉を話す犬が映り(カルロスは思わず叫んだ)、その後双子の姉妹が映ったがあんまり2人の見た目は似ていない。1人はスポーツをしてそうなボーイッシュな格好で、もう1人は歌手のような見た目。髪がブロンドな事を除けば顔がマルに似てる。そして画面が再び変わり、そこでは2人の男の子がスーパーヒーローのための病院をしているように見えた。
もう分かりましたか?ここで映し出されたのはディズニーチャンネルですね。ブログ犬スタン、うわさのツインズ リブとマディ、そしてMighty Med。もう双子の顔がマルに似てるっていう表現がもう素晴らしすぎて一気にこの本が好きになったね。ではストーリーに戻りましょう。
パーティーの次の日、マルが家に帰るとマレフィセントがとても怒っていた。イヴィをいじめると聞いて楽しみにしていたのに、それがクローゼットに閉じ込めるという小さな物でそれも失敗したから。「自分があなたぐらいの年齢の時には王国を呪っていた」と口癖のように言いながら、もっと皆が驚くような計画を考えろと命令する。するとその時、20年前にフェアリーゴッドマザーによって封印されたはずのマレフィセントの手下のカラスであるディアブロが家に戻ってきた。彼によると、何らかの原因によって島を覆っている魔法を防ぐバリアが一時的に壊れ、自分と"ドラゴンの眼"の封印が消えたらしい。ドラゴンの眼とはマレフィセントの力の源となる物で、これさえあれば島でも魔法が使えるようになり、世界を征服できるようになるらしい。そしてマレフィセントはマルの名誉挽回のチャンスとしてドラゴンの眼を取りに行くように言う。断るすべもなく了承するマルだったが、ドラゴンの眼に触れると100年の眠りにつくという事を聞き、それをイヴィに触らせれば誰も見たことがない悪事が出来ると考えた。
そしてマルはドラゴンの眼を探す旅には人数が必要と考えて、マル、ジェイ、カルロスそしてイヴィの4人で行く事になった。まずは島の地図を探すために学校へ行き書庫に行くが、その途中で先生であるファシリエに呼び止められる。ドラゴンの眼を探してるとも言えないマル達は何とか嘘をついてその場を切り抜け、無事に地図を手に入れることが出来た。しかし地図に書いてあった場所は山奥の厳しい場所。さらにマレフィセントが作った罠や仕掛けが大量にあり、一歩間違えれば死にそうになるようなものもしばしば。そうして助け合っていくうちに、ただの寄せ集めである4人も本当の仲間へと変わっていった。
そうして長い旅の末、ドラゴンの眼がある場所へたどり着いた。そしてイヴィがドラゴンの眼を触ろうという時に、マルはいきなりイヴィを押しのけて自分が触ってしまう。元々イヴィを呪いにかけるはずだったのに、マルには何故かそれが出来なかったのだった。こうしてマルは百年の眠りについてしまう...はずだったのだが何故か2,3時間で目を覚ました。さらにドラゴンの眼はマルが触った直後に消えてしまったという。皆どうしてこうなったのか見当も付かなかったが、もしかするとマルにはマレフィセントも知らないような力を持っているのでは無いかと考えるようになった。さらにイヴィはマルが自分を呪いにかけようとしている事を見抜いていて、さらに「また自分を呪おうとしなければ友達になれる」と言い、初めはギクシャクしたものの次第に友達になっていった。そしてマルがこの旅から帰った時にドラゴンの眼を持って帰れなかった事に対し、マレフィセントからガッカリされたものの、マルは何とも言えない満足感を感じていた。
一方オラドンのベンは自分の失敗を分析し、変に親のようになろうとしていたから失敗したと考え、自分なりに考えて進めばいいのでは無いかと思い実行してみるとどうやら上手くいきそう。こうして周りからの信頼を得たベンは、自分が今まで考えていた計画を実行してみようとする。海の向こうにある島を見つめながら...。